櫻井海音(さくらい かいと)さんの演技について「下手」という声があるのは、時に「役」よりも「本人」を際立たせてしまうからかもしれません。
俳優としてまだ5年とキャリアも浅く、型通りの表現に見えてしまう瞬間があります。
でも、その不器用さは、役に対してどこまでも真っ直ぐで彼なりの誠実さなのではないでしょうか。
はじめまして。映画と人間観察が生きがいの「れいな」です。
母子家庭で育ち、人の表情を読み取るのが癖だった私は、映画館の爆音の中でキャラクターの「心の音」を聴くのが大好き。
今回は、映画「推しの子」でアクア役を演じ、世間をざわつかせた櫻井海音さんの演技の真実に迫ってみたいと思います。
櫻井海音の演技は下手?『推しの子』での絶賛と裏腹にある否定的な声
映画「推しの子」で主演を務めた櫻井海音さん。
映画館で見たポスターの美しいビジュアルが、今でも頭から離れません。
人気漫画の実写化という、ファンからの厳しい視線が突き刺さる高いハードル。
彼はその中で、復讐心に燃えるアクアという難役に挑みました。
期待が大きいからこその違和感
まず、実写作品って、どうしても自分の頭の中にある「理想のキャラ」と比べてしまいますよね。
櫻井さんの演技が下手だと言われてしまう一番の理由は、その「イメージの壁」にある気がします。
アクアという役は、冷静なようでいて、内面はドロドロとした感情が渦巻いている。かと思えば、家族や周りの人間への愛情が深い部分もあるような、本当に表現が難しいキャラクターです。
私は映画を観る時、セリフよりも「視線の泳ぎ方」をじっと見るクセがあります。櫻井さんが演じるアクアは、あえて感情を殺したような静かな演技でした。
でも、原作のあのヒリヒリした圧倒的な熱量を期待していませんでしたか?思っていたより、ドロドロ感が少なった気がします。もしかしたら、「物足りない」と感じるのが原因かもしれません。
期待が大きすぎるからこそ、少しのズレが「下手」という言葉につながるのだと感じました。

それだけ、愛されている証拠なのでしょう。
そう思うと、彼が背負っているものの重さが伝わってきます。
キャリア初期特有の硬さへの指摘
もちろん、役者として、これから伸びていくのでしょう。
しかし、過去の作品で、表情がどこか硬く感じたのも事実です。素人が言うのもなんですが、セリフの間が独特なんです。
それが一部で「棒読み」と言われてしまう原因なのかもしれません。
でも、その「硬さ」って、役を壊さないように扱おうとしているように見えます。
一見こなれた演技で器用にこなすよりも、今の彼にしか出せない「青さ」や「危うさ」。
それこそが、アクアという役にぴったり重なっていた気がします。実際に、本人の経歴とも通ずるもの感じて演じていたと言います。
アクアと自分にはキャリア面で重なる部分がありまして。
引用元:VOGUE(ヴォーグ)
櫻井海音さんが殻を破る直前の、あの独特なヒリつき。そのヒリつきに、アクアの美しさを感じました。
それは、今この瞬間の彼にしか撮れない宝物のような時間だと思うんですよね。
☆映画「推しの子」公式ページ

櫻井海音の演技がイマイチと感じる3つの理由
櫻井海音さんの演技を見て、「なんだかイマイチだな」と感じていませんか?
実は少し分かります。
私なりに整理して、理由を3つに分けました。
カッコつけているように見える演技への違和感
一つ目は、「あ、今のカッコつけてる?」と思わせてしまう仕草です。
これは、モデルとして見せ方を知っているからこそ、無意識にカメラ映りのいい角度を選んでいたのかなとも感じる場面です。
映画やドラマの世界に没入したい視聴者にとって、役ではなく、「櫻井海音」が見えてしまうと急に現実に引き戻されてしまう。冷めてしまう。

これは、櫻井海音さんだからとかではありません。私たちは、無意識に役のキャラクターがそこに存在すると感じてしまいます。
また、原作があるものだと、やっぱり自分の理想がありますよね。どんな役者でも、どんな作品でも、ギャップが生まれる瞬間はあります。
その期待とのギャップが、違和感につながっているのかもしれません。
大袈裟な感情表現と演出のギャップ
二つ目は、感情が爆発するシーンで表現が少し大袈裟に見えてしまう点です。
内側からじわじわ溢れ出すというより、「ここは怒るシーンだ!」と全力でぶつかりすぎているように感じる時があります。
一生懸命さは伝わるのですが、現実で感情が湧き出る瞬間って違うよねって感じます。その熱量が画面から少し浮いてしまう。
舞台的な力強さが、映像作品としてはトゥーマッチに映ることもある。
ただ、私はその状態を見て、役を理解しようとしているんだなと捉えて好印象になりました。
役作りとキャラクター理解への疑問
三つ目は、「この役のこと、本当に分かって演じているのかな?」という厳しい声です。これは、一つ目、二つ目とも通ずる部分ですね。
キャラクターの深い孤独や痛みが表面的なセリフに隠れてしまって、こちらに伝わってこない。
確かに、役と一体感があると言うと違和感があります。
それでも、インタビューで言葉を選びながら役への想いを語る姿に誠実さを感じます。誰よりもその役を愛そうとしていることが伝わってきました。
今はまだ、その「愛」が演技としてうまく外に出てこない。
そんなもどかしい時期なのかもしれませんね。
櫻井海音の演技に対する世間の評価と役者としての真実
櫻井海音さんの評価を見ていると、「一人の青年が脱皮していく過程」をリアルタイムで目撃しているようで、私はとてもワクワクします。
批判を糧にする強さと生々しい表現
「下手だ」と言われるのは、彼が安全な場所にとどまらず、難しい役に挑戦し続けている証拠です。
私が映画から学んだことの一つに、「上手い演技が必ずしも良い演技とは限らない」という考えがあります。
計算された完璧さより、不器用で壊れそうな感情が見える瞬間に心が震える。
櫻井さんの演技には、未完成だからこその生々しさがあります。
それが役と噛み合った時の爆発力は、他の誰にも真似できないものになるはずです。
経験が織りなすこれからの真実
真実とは、彼が今も批判から逃げず、カメラの前に立ち続けているということ。
評価は、後から勝手についてくるものです。
今の彼に必要なのは、泥にまみれながら、いろんな役と出会う「時間」そのもの。

映画を愛する一人のファンとして、私はその変化を見守れることが本当に嬉しい。
彼がいつか放つであろう圧倒的な光を、私は見逃したくありません。
まとめ
櫻井海音さんの演技について、私なりの想いを綴ってきました。
「下手」という言葉の裏にあるのは、彼への期待とひたむきな挑戦の跡。
完璧じゃないからこそ、応援したくなる。
次はどんな顔を見せてくれるんだろう、とワクワクさせてくれる。
そんな役者さん、なかなかいないと思いませんか?
映画は、私たちの心を温め、新しい世界を見せてくれる場所です。
櫻井さんの演技も、厳しい声の向こう側で、誰かの心に小さな種をまいているはず。
批判を受け止めながら、さらに高く跳ぼうとする彼の一途さを、私はこれからも信じて追いかけたいと思います。
この記事を通して、櫻井海音さんという役者の「今」を少しでも温かい目で見てもらえたら嬉しいです。

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