2026年9月6日、配信サービスで映画「ラストマイル」を観ました。公開当時、気にはなっていたものの観に行けなかった1本です。
爆破事件はフィクションなのに、なぜかあの倉庫は見覚えあるな。
そう思って調べたら止まらなくなりました。
この記事は、私が感じた疑問をまとめたものです。
- 映画「ラストマイル」の物流描写は誇張なのか
- 一次情報をもとに、宅配便の数・ブラックフライデー・再配達の実際の状態を検証した記録
- なぜ映画に出てくる物流倉庫の風景に見覚えがあったのか
映画を観てモヤッとした、ブラックフライデーに荷物が届かなかった、楽しみと便利さの裏側が気になったなど。
調べれば調べるほど、現実の方が過酷だったという結論にたどり着くはずです。(あくまで個人の感想です)
映画「ラストマイル」を観て感じたモヤモヤと、倉庫の風景への違和感
2026年9月6日に配信サービスで見つけました。公開当時(2024年8月23日)は気になっていたのに観に行かず、思い出したので観てみることにしました。
映画の基本設定
世界規模のショッピングサイト「DAILY FAST(デリファス)」の物流倉庫が舞台。センター長に就任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)の行動が描かれています。
ラストマイルを観終わった時、荷物を頼めば頼むほど苦しくなる人がいる。
誰が悪いではなく、今のシステムがこうなっているんだと知って心がモヤモヤしました。
また、「爆破事件はフィクションなのに、なぜか倉庫の風景は見覚えがある」という感覚になりました。その時頭をよぎったのが、過去に見たAmazonのCMです。
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映画「ラストマイル」の物流描写は誇張ではなかった、という仮説を数字で検証する

宅配便は年間50億個!数字で見る「デリファスの倉庫」は誇張だったのか
まずは、年間の宅配便取扱についてご覧ください。
〇令和6年度の宅配便取扱個数は、50 億3147 万個で、前年度と比較して2414 万個・約0.5%の増加となった。
引用元:国土交通省「報道資料 令和6年度宅配便・メール便取扱実績について」
私は最初に50億個と見ても、数字が大きすぎて何がすごいのか分かりませんでした。だから、もっと身近に感じられる数字まで小さくしました。
日本中の宅配がどれくらい動いているのか?
50億3147万個÷365日=約1378万個(1400万個としましょう)
平均すると、一人あたりどれくらいになるのか?
50億3147万÷1億2000万人(日本の人口)=1人当たり約42個(れいな計算)
映画「ラストマイル」の舞台となったデリファスの物流倉庫の表現は誇張だと思っていましたが、実際は逆です。
むしろ、数字を小さくしていたんじゃないかと感じています。なぜなら、1日に1400万個も日本中で荷物が配られているからです。
さらに、似たような規模の物流倉庫は日本にいくつも存在しています。
では、れいなの家では実際にどれくらいの荷物が届くのか?
私自身、一人暮らしで月に1〜2個、月に買わない時もある。平均すると、年間20個いかないくらいですね。
となると、平均の半分くらいだが、学生時代やコロナ前と比べると増えたのかもしれない。
コロナ禍で増えた宅配便が、なぜ今も元に戻らないのか
さらに遡ると、ある時から宅配便が一気に増え始めます。
令和元年はメール便の方が多い(国土交通省)
宅配便:43億2349万個 メール便:47億3870万冊
令和2年は宅配便が一気に増え始める(国土交通省)
宅配便:48億3647万個 メール便:42億3870万個
令和2年(2020年)は、緊急事態宣言が発令しました。外で買い物ができず、一気にネットへ流れ込んだ証拠ですね。
たった1年で5億個増え、運ぶものが増えた分、人を増やすか仕組みを変えるかしかありません。
対照的に、最近は緩やかに増えている。
ここで重要なのは、コロナ禍が過ぎても元に戻っていないということです。
映画を観て、「デリファスの数字大きく見積もりすぎじゃぁ…」とか思っていたら、現実の方が過酷。
たしかに自分の宅配歴を思い返すと、明確に変わったことがあります。
自分で持てないような大きな家具・家電のみ宅配にしていた頃から、いつからか小さなものでも宅配にしていたなと。なんでだろう?と思い返すと、浸透しているからなんですよね。
映画「ラストマイル」のブラックフライデー描写を物流の数字で検証する
映画「ラストマイル」の舞台設定は、ブラックフライデーです。
ここまで調べると、ブラックフライデーも確認せずにはいられません。
警察官もうんざり「ブラックフライデー」という名前の由来
諸説ありますが、アメリカでは感謝祭の後の金曜日を「ブラックフライデー」と呼ばれるようになりました。
1960年代、アメリカでは感謝祭の後の金曜日と土曜日が一番ショッピングに行くお客さんが多くなる日でした。
渋滞が起こるので、警察官はうんざり。嫌な金曜日だという意味で「ブラックフライデー」と呼んだ。
参考リンク:ブラックフライデーの起源(英文ですので翻訳してお読みください)
※そもそも、1869年に起こった大規模な金融危機を説明するものであったという説もあります。(ENGLISH LIVE)
セールの呼び名が嫌な日から生まれた言葉だと知った時、映画の題材として”ブラックフライデー”が選ばれた理由が分かった気がしました。
日本にブラックフライデーが来たのはいつ?宅配便が36億から43億個に増えるまで
では、日本にブラックフライデーがいつ頃来たのか気になりませんか?
日本で初めてブラックフライデーセールをしたのはトイザらスです。2014年11月に実施。
一気に広がり、2016年からイオンがスタート。(ネットショップ担当フォーラム)
2019年には、Amazonが日本で初開催しました。(日本経済新聞)
2014年、トイザらス単発で行われていたものが、2019年にはスーパーやネットショップで開催されている。
これはもう、荷物が増える理由しかありませんよね。
実際に、2014年から2019年で、宅配便の数は36億→43億に増えています。
ちなみに、11月に開催される理由にはイベントが少ない時期に売上を上げる目的もあるという説があります。

個人的には、年末商戦へつなぐ役割があるのかもと思っています。
2025年、ヤマト・佐川も配送遅延を発表した裏側|映画の倉庫が限界を迎えるシーンの正体
また、2025年のブラックフライデーセールは、運送業者が遅延を発表していたのも記憶に新しいです。
ヤマト運輸は27日、一部地域で荷物の配送が遅れていると発表した。佐川急便も26日、配送の遅れを発表した。
引用元:日本経済新聞
2025年の宅配便年間取扱数は約50億個。荷物が一番動く時期が11月なのだろうと見通せます。
映画のストーリーで物流倉庫が限界を迎える風景は、この部分を切り取ったものだったのではないかというのが私が出した答えです。
ネット通販が拡大するほど見えないコストとして増えていく「再配達」
最近では個人の価値観や状況に合わせて、仕事・住まい・家族の形を自由に選べるようになりましたね。
それに伴い、ネットショップや、ネット通販が急速に拡大しました。
宅配便4.5億個が「再配達」映画の物流描写を再配達率で検証
経済産業省の調べでは、消費者向けの取引が約26兆円、そのうち物販系分野が約15兆円だと発表しています。
参考リンク:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果」
令和6年の宅配便の数は約50億個、再配達率は9%でした。
そして現在、令和7年度の宅配便取扱実績は発表されてはいませんが、再配達率は8.3%に下がりました。(国土交通省)
次に、再配達率を減らす工夫の一つとして、置き配が私の頭に浮かびました。
ポストや宅配ボックスを中心に建築金物を取り扱っている株式会社ナスタでは、2019年から「置き配に関する実態調査」をされています。
2025年の様子を紹介します。
置き配利用率:約73%
再配達を減らした主な手段
- 置き配:約53%
- 時間帯指定:37%
- 自宅に宅配ボックスの設置:約30%
- コンビニや公共宅配ボックスの利用:数%
こちらの調査では、再配達を減らした人のうち半数以上が置き配だと答えています。私の周りでも、宅配ボックスを設置するお宅が増えました。
数字を見ていただくと、置き配の次に時間帯指定をする人が多いですね。
最後に、年間どれくらいの荷物が再配達になるのか計算してみました。
令和6年の数字を元に計算すると、
年間50億個の宅配便×9%(再配達率)=4.5億個の荷物が再配達
という結果になりました。

映画の表現は全然誇張なんかじゃなく、現実の方がより過酷なのでは?と感じました。
れいなが実践している「再配達を減らす工夫」
ここで私ができることを考えてみました。
私は最近(特に2026年に入ってから)はあまりネットで買い物をすることが減りましたが、荷物の受け取り方を置き配に設定しています。
置き配が設定できない荷物は時間帯指定、たまに指定できないこともあるので、その時は備考欄に書いておきます。
だいたい見てくれるので、ほぼ再配達はありません。
映画の物流描写に見覚えがあった理由、繁忙期の「ありがとう」
私の見覚えの正体は、日常的に目にしていた風景全部です。
例えば、冒頭で伝えたCM以外にも、Amazon自身が公開しているバーチャルツアーの動画も観たことがあります。
記事を書くためにもう一度見返したら、私はCMの記憶だと思っていたけれど親しみを感じたのはこの動画だなと確信しました。人間の記憶って曖昧ですね(笑)
話がそれましたが、ベルトコンベアの様子や背丈よりも高い棚。空から撮っても分かるくらい大きな倉庫。
私がデリファスと重ねていた風景です。
爆破事件はフィクションですが、物流倉庫は日常的に目にしています。それらは全て現実です。
ここからはれいな自身の考察です。(批判する意図はありません)
Amazonがブラックフライデーから年末にかけて、配送ドライバーさんへ「ありがとうキャンペーン」というのものを実施しているのはご存知ですか?
Amazonでは今年も、「Amazon ブラックフライデー」期間をはじめとするホリデーのショッピングシーズンにも商品の迅速な配達を通じて快適なお買い物体験を支えてくださっている配送パートナーの皆様に、お客様からの感謝の気持ちを伝える取り組みとして、「ドライバーさんにありがとうキャンペーン」を2025年11月24日(月)から実施します。
引用元:Amazonホームぺージのニュースページ 2024年11月の記事より
アメリカでは2022年から毎年実施。日本でも2024年から実施されています。
ここから何が言えるのか?
ブラックフライデーから年末(繁忙期)に限定して実施する理由は?
この時期だけ特別な仕組みが必要になるほどいつもと違うと読み取れます。
繁忙期に合わせて実施するということは、Amazon自身がそれだけ特別だと感じているということなのかもしれません。
あなただったらどう読み取りますか?
まとめ
今回は検証結果を軸にまとめました。
- 映画を観た感想と違和感
- 映画の物流描写を検証
- 映画のブラックフライデー描写を検証
- 日常から映画の描写を検証
- 私たちができる取り組み
- 冒頭の伏線回収
知っていく過程が楽しく、調べだしたら止まらなくなっていました。
映画の描写は全然誇張した内容ではなく、荷物を頼めば苦しくなる人もいる。
誰か悪いわけではなく、システム上埋められないのだと知り、胸が締め付けられるような感覚になりました。(あくまで個人の感想です)
感謝の気持ちを形にするという取り組みも素敵です。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました♡


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