君たちはどう生きるか|お父さんが気持ち悪い理由は?再婚の裏にある人間の弱さと時代のリアル

「君たちはどう生きるか」を観て、「お父さんが気持ち悪い」と感じた人も多いでしょう。

SNSでも違和感を抱く声が多く見られますが、なぜそう感じるのか気になった方もいるはずです。

実はこの気持ち悪さには、時代背景が関係していました。戦時中の結婚観や、人間の弱さが深く関わっていたのです。

また、お父さんが妹と再婚した理由にも意味があります。一見不自然なセリフにも、隠れた心情がありました。

この記事では、そのモヤモヤの正体を時代と心情の両面から丁寧に読み解いていきます。

 

 「君たちはどう生きるか」お父さんが気持ち悪いと言われる理由は?視聴者の違和感を整理

「君たちはどう生きるか」を観て、SNSではお父さんが気持ち悪いという感想が多く見られました。

・お父さんが気持ち悪いということだけはわかる。

・お父さん気持ち悪いなぁと思ってたけど、家の都合で結婚しただけって感じか….

・奥さんの妹と再婚するお父さんが気持ち悪いなと感じるのは私だけ?

引用元:Xより

息子思いな父親として描かれているはずなのに、なぜ映画を観る人に違和感や不快感を与えるのでしょうか?

その理由として、時代背景に沿った設定だけでなく、人間としての欲望や本能が描かれているからだと思います。

そして、眞人のお父さんは家族を守ろうとしながら、息子の気持ちを察したりできない。

なんだか自分の都合を優先しているように見えるので、大人のズルさが連想されやすい。

だからこそ、私たちはお父さんの言動をが気持ち悪いと感じてしまうのかもしれません。

 

父さんが妹と再婚した理由とは?その選択に隠された時代と心情

どうして、眞人のお父さんはお母さんの妹と再婚したのでしょうか?

それは、「君たちはどう生きるか」の時代背景である戦時中の結婚観にあると私は思います。

 

戦時中の日本では、結婚は家のため、国のためにするものだという考え方が普通でした。

今では考えられませんが、個人の幸せよりも家族の繁栄が大事にされていた時代です。

このことを考えると、お母さんが亡くなったすぐに再婚したことや妊娠していたことも見方が変わりませんか?

 

お母さんの実家は名家だった。

そのため、子孫を絶やさないために結婚は必要だった。

個人の気持ちよりも家のための結婚ならば、本人たちの気持ちも何もないですよね。

それに、キャラクター紹介では、主人公のお父さんは息子思いだと書かれています。

ただ、やばい奴という訳でもなさそうですね。

 

太平洋戦争中、母親の死をきっかけに田舎に疎開した眞人という少年が、新居の近くで廃墟となった塔を発見し、人間の言葉を話す謎の青サギと出会い、彼と共に幻想的な「下の世界」へと足を踏み入れるストーリー。

引用元:Wikipedia

「君たちはどう生きるか」のあらすじにも太平洋戦争の日本を舞台にしていると書かれています。

私自身、現代の感覚で捉えると、お父さんの言動が分からない、理解できないと感じてしまいます。

しかし、この時代には主人公のお父さんとお母さんの妹が再婚することも受け入れられた時代なのではないでしょうか。

 

お父さんの気持ち悪いセリフはなぜ生まれた?そこに映る人間の弱さ

主人公のお父さんが、映画の中で軍需工場を経営してお金儲けをしていると捉えられるシーンがあります。

それが、戦争で亡くなった人たちへ「おかげでこっちは大忙しだ」というシーンです。

これだけ聞くと、やばい人です。

 

ただ、当時のなりゆきや心境を考えると、皮肉でも何でもなく、自分を鼓舞する言葉だったのかもしれません。

戦争中は、軍需工場が一番に狙われます。

相手も勝たなければいけないので、当然ですよね。

主人公のお父さんが経営している工場も、例外ではありません。

 

家族のため、国のために、工場は経営していかなければならない。

しかし、いつねらわれるか分からない状況でも、悲観的になっていられないですよね。

だから、「これから忙しくなるぞ」って意味でも、お父さんはこう言ったんじゃないでしょうか?

 

まとめ

「君たちはどう生きるか」に登場するお父さんは、「気持ち悪い」と言われることも多い人物です。

しかしその裏には、戦時中という時代背景と、のために生きなければならなかった人間の葛藤がありました。

妹との再婚も、愛情より義務や責任が優先された時代だからこその選択。

そして、息子を思いながらも本音を隠し、家族を守ろうとする不器用さが、現代の私たちにはズルさ違和感として映るのかもしれません。

お父さんは決して悪人ではなく、時代と立場のはざまで生きる一人の人間。

彼の言葉や行動にある「弱さ」や「迷い」を知ることで、作品全体が描く生きるとは何かというテーマが、より深く見えてくるのではないでしょうか。

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