「君たちはどう生きるか」のレビューで、お父さんが気持ち悪いと話題になっています。
母の死後すぐに義妹と再婚したり、戦時中の発言に違和感を覚えた人も多いようです。
でも、その背景には、今とは違う時代の価値観や家族観がありました。
この記事では、「なぜ気持ち悪いと感じたのか?」という視点から、お父さんの言動を時代背景とともに読み解きます。
「君たちはどう生きるか」主人公のお父さんが気持ち悪いも言われる理由とは?
「君たちはどう生きるか」のレビューで、主人公のお父さんの言動が気持ち悪いといわれています。
どうして、気持ち悪いと言われているのでしょうか?
その理由を、レビューとともに紹介していきます。
・母が亡くなりその妹と父が再婚、お腹には子供もいる
・母が亡くなった後、父はその妹である夏子を後妻とし子供を身篭る。兄弟だから代替できるものなのか。また、夏子の家は名家であり2人の結婚は勿論純粋な愛だけでない事もわかる。
引用元:映画.com
・実の母を突然亡くし、その母の妹が次の母になる。
謎に元気で勢いのある父親。引用元 Filmarks
一番多かった意見が、主人公のお母さんが亡くなった後、お母さんの妹と再婚するなんてありえませんよね。
しかも、お母さんがなくなってすぐの再婚で、妹が妊娠しているのは早くないですか?
息子である主人公の気持ちを、お父さんは考えたことがあるのでしょうか?
そして、極めつけは戦時中に兵器を作る仕事をしていたこと。
主人公・眞人は裕福でありながら、それは父が戦時中に兵器(零戦の上の部分)を作っているからである。
引用元:Yahoo口コミ
戦争に良いイメージがないだけに、武器でお金儲けする様子が良く見えないですよね。
これらの理由から、主人公のお父さんが「気持ち悪い・クズ・やばい」と言われています。
なぜ妹と再婚?「君たちはどう生きるか」お父さんの決断を時代から読み解く
どうして、お父さんはお母さんの妹と再婚したのでしょうか?
それは、「君たちはどう生きるか」の時代背景である戦時中の結婚観にあると私は思います。
戦時中の日本では、結婚は家のため、国のためにするものだという考え方が普通でした。
今では考えられませんが、個人の幸せよりも家族の繁栄が大事にされていた時代です。
このことを考えると、お母さんが亡くなったすぐに再婚したことや妊娠していたことも見方が変わりませんか?
お母さんの実家は名家だった。
そのため、子孫を絶やさないために結婚は必要だった。
個人の気持ちよりも家のための結婚ならば、本人たちの気持ちも何もないですよね。
それに、キャラクター紹介では、主人公のお父さんは息子思いだと書かれています。
ただ、やばい奴という訳でもなさそうですね。
太平洋戦争中、母親の死をきっかけに田舎に疎開した眞人という少年が、新居の近くで廃墟となった塔を発見し、人間の言葉を話す謎の青サギと出会い、彼と共に幻想的な「下の世界」へと足を踏み入れるストーリー。
引用元:Wikipedia
「君たちはどう生きるか」のあらすじにも太平洋戦争の日本を舞台にしていると書かれています。
私自身、現代の感覚で捉えると、お父さんの言動が分からない、理解できないと感じてしまいます。
しかし、この時代には主人公のお父さんとお母さんの妹が再婚することも受け入れられた時代なのではないでしょうか。
「君たちはどう生きるか」お父さんの“気持ち悪い”セリフはなぜ?時代背景から考察
主人公のお父さんが、映画の中で軍需工場を経営してお金儲けをしていると捉えられるシーンがあります。
それが、戦争で亡くなった人たちへ「おかげでこっちは大忙しだ」というシーンです。
これだけ聞くと、やばい人です。
ただ、当時のなりゆきや心境を考えると、皮肉でも何でもなく、自分を鼓舞する言葉だったのかもしれません。
戦争中は、軍需工場が一番に狙われます。
相手も勝たなければいけないので、当然ですよね。
主人公のお父さんが経営している工場も、例外ではありません。
家族のため、国のために、工場は経営していかなければならない。
しかし、いつねらわれるか分からない状況でも、悲観的になっていられないですよね。
だから、「これから忙しくなるぞ」って意味でも、お父さんはこう言ったんじゃないでしょうか?
ただ、言葉はもう少し選んで欲しいですね。
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